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「ハピメア」の感想・レビュー

 

 

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この作品をプレイしたのは数年前だけど、作品自体のレビュー(感想?)は載せてなかった。(上の記事は内藤兄妹に注目している感想です。)当時のメモが発掘されたし結構長文なので、せっかくだし載せておく。思ったままにサラサラと書いてるので、感想というよりはメモ寄りかなーと思ったけどこのままだとPCのハードディスクで永遠に眠るだけなので載せます。だれかの参考とかになったら幸いです。

 

「そして今日も俺は夢を見る――」 これは甘くて悪い夢の話。

攻略順は、バッド→弥生→景子→咲→ノーマル2種→有栖→舞亜 。さきにFDのOPを見て興味が出た作品だったので有栖の正体については若干ネタバレ踏んでいた。

 

両親不在で一人暮らしの主人公・血のつながりの無いデレてくる妹・金髪ハーフ美少女。 などなどTHEエロゲ!な点を踏まえて、なおかつハーレム日常が多いので「萌えゲー寄りの作品なのかな」と思いつつ有栖ルートやったら『内藤兄妹と「有栖」』の物語だった。 極端な話、ほかのヒロインルートは「幾多の夢(=if)」で、有栖ルート(トゥルーED)の布石になっちゃってる。


童話と明晰夢をテーマにした作品。 この「夢」が本作の良いところであるんだけど、同時に難所。
序盤は「睡眠→マイアの待つお茶会の部屋」のサイクルが続くのだけれど、徐々に夢と現実が入り混じって、その境目がプレイヤーですらわからなくなっていく。 ヒロインたちの夢の世界の衣装、透のメガネ。ふたつの世界を分割していた記号すら、現実世界を浸食していく。 『胡蝶の夢』とも言える入れ子細工が難所で、このゲームの進行具合が不明瞭になる。 ブレイクタイムとされる日常はハーレムが好きなタイプでもキツイんじゃないかなーと思うワンパターン。 クリスマスの姫騒動からサンタとか、正月明けの女体化騒動など、夢ならではの荒唐無稽なものはそこそこ楽しめ。
そんな感じで、これらでギブアップした人も多そう。

 

辛い現実と、思うがままになる現実と同じ夢。どちらを選ぶ?


全編に亘って、この問いが執拗に書かれている。

「夢、幻、現実、嘘、本当。どれが正しいのかしら?それが一番幸せにしてくれるのかしら。」


第2章
「夢は夢だろ。想像の中で幸せになった所でそれは1人でしか幸せになれないんだからな」
つまり、夢に逃げてしまえば周りに居る人を全員置き去りにするということだ。 それは、幸せというには独善的過ぎるんじゃないだろうか。

これに関しては舞亜のセリフが核をついていると感じた。 てっきりヒロインたちの問題を夢で解決していくお悩み相談方式かと思っていたら、夢は夢で現実の足しにしかならないという方式だもんね。

少女趣味なゴシック調の「夢」の世界と、学園ものの「現実」が混沌していくので、独特の雰囲気を醸し出している。 途中の妹呼びイベント(兄さん・トール兄・お兄様・透お兄ちゃん)といい、強烈な印象の舞亜といい、本作は妹ゲーだなあ。

全般的に金がかかっているんだなと思うつくり。 そして技術の進歩を感じた。 タイトル画面で放置したらオートデモが始まるのとか細かいな。 CGはエッチシーンの構図が凝っていて、カットインも効果的なんだろうなと思った。 SD絵も表情豊かでキュート。

ヒロインたちの扇情的なメルヘン衣装は面食らったけど、弥生のバニーぐらいブッとんだのは好き。スキあればパンツ見せたいのはよく理解したけど、シーンによっては雰囲気ブチ壊しなのがあるのでそこは気になった。 和姦もの。女の子が合意のもとで、アブノーマルなのはマイアのドMホイホイ靴コキとかそのへんかな。

あとキャラ感想。

 

内藤 透(ないとう とおる)(主人公)

面食いの奥手だけど、ただのヘタレで終わらなかったのは良かった。 彼が「妹の存在を忘れられない」が本作の肝で、ヒロインたちの恋慕と妹への愛情を天秤にかける。 これによって透がヒロインたちを肉欲以外で好きになったことが丁寧に描かれていた。 シスコンと夢遊病のケがあったために、明晰夢を見るまでに悪化。 友人の哲也に彼女がいるのは珍しいなと思った。

 

蓮乃 咲(はすの さき)声 - 青山ゆかり

最終話「シスター」。
舞亜の代わりを務めることで、透を現実世界にとどめた偽の妹。 なにごとも無かったら、舞亜と一緒に透をけん制し合う仲になってたんだろうな。 それこそ無知でいじらしい彼女で。内藤兄妹ととても仲が良く、舞亜個人も好きだったからこそ、透まで手の届かない世界に行ってほしくない。 恋人関係になったあとは、やたら誘ってくるけどそれは今までの歪な兄弟関係ではなくコレは恋人関係だと認識するため。 透だけではなく、咲自身も舞亜のことを心に大きく残していた。 舞亜が森で行方不明になったことに間接的に関わっていて、それをずっと苦に思っていた。 といっても咲個人が責任を感じることのない、とてもささいな出来事。 それだけではなく、咲が舞亜のかわりに妹を演じると決めた日から、小悪魔な舞亜を模倣しているのだから必然と咲の中には舞亜がいる。 咲の「透から妹を離したい」という願いが曲解して、咲と自分を入れ替えることに成功 、「いばら姫」の方式。 咲を妹つまりマイアとして好きなのではなく、咲は咲で妹で好き。 このラストシーンの透と咲が引き金をひいて、薔薇の紅い花びらとなって散ってゆくマイア。 このシーンがきれいなんだよなあ。 透と咲の「ふたり」でしょいこんだ図式がいいね。 エピローグで透の目覚めた花畑に向かい、マイアの指輪を置いていく。 それは決別のサイン。
泊まりで主人公の部屋でエロ本探しとか王道すぎない? 付属校ってことは中○生…やめておこう。 保健室でフェ○とか

 

平坂 景子(ひらさか けいこ) 声 - 青葉りんご

理事長の娘。アシメツインテ。 自暴自棄な投げやり。ツンデレ。 下着ワイシャツ要因。 胸がない自虐連呼してるけど、けっこうあるよ。

最終話は「ネヴァーネヴァーランド」 ハーフ子に嫌われてたのは同属嫌悪から。 夢の中ですら選んでなかったからなあ平坂は。 透が着替えるとき罵倒してくれたのはキュンときた。 純情ギャップ。 理事長の一人娘ということで複雑な富豪のお家事情。 透がマイアのいる世界に溺れそうになったときの対処法がグーパンチ笑った。 先輩がお色気で妹以外の女を見せてやろうじゃないかだったのに。 平坂は、自分が怠けで夢に居続けようとしたとき、それを否定した透には頼れる先輩でいてほしかった。 夢の世界で他キャラほど思い通りの世界は作れない。 頼りないことをわかっていて、他人を助けようとする透が好き。 女体化イベは「男であることを自覚する」をクリアすれば元に戻る。 平坂の告白を受け、それに何らかの「男」としての答えを出さなければいけないとき自覚。

第7話
「例え嘘でも好きって言ってくれたら、何をしてくれてもいいですし」

ラストはピーターパンモチーフ。 ティンカーベル=弥生、ピーターパン=平坂、ウェンディ=透。 透が心変わりしたときように孤独の夢の世界で告白をうけない事や欲望でもいいから抱いてほしいとか、 ツンツンしてるけど献身的。 マイアの嫉妬でこのイベント起きただけで、割と受け身だよな。

 

 「だけどいい?何かあったらすぐにこっちに引き戻してあげるから。だから――」
「お兄ちゃんは、死ぬまでずっと怯えてなさい。わたしが来るかもって。ふふ、あははは、あははははは!」

決定的な別れじゃないよな。暗にエールおくってるけど。 父親との険悪な関係と、自意識の強い孤独感がキー。 で、この両者と平坂がそこまで夢に対して特別な気持ちが無いから、この現実と夢の世界の選択っていうテーマのハピメアでは イマイチ印象が薄いルートだった。 後半ズコバコやってたイメージ。

 

・弥生・B・ルートウィッジ(やよい Barnard Lutwidge) 声 - 風音

最終話は「はじめてのおはなし」。

わたしはブサイク作品の銃刀が好きなので、風音さんのヒロインは無条件で好感度プラス50点でいきます。いちばん好きなのは舞亜だけど二番目は先輩だなあ。


詳細はふれられないけれど、父親が不明で扶養権利を取り上げられている母親の時点で複雑。 作中の描写から察するに、男性関係にだらしない人だったのかな。 朝日とは直属の姉妹ではなく親戚関係。なので髪の色が微妙に違う。 というかにぶい金髪碧眼という日系人?のハーフもかなりレアだと思うけどエロゲでそういうのを言うのはぶしつけ。

余裕綽々のお姉さん先輩と見せかけて、日本とイギリスのどっちつかずな身体上で理由で疎外されていた。 「楽な生き方をするために最大限の努力」で、外面の良いタイプを勝ち取る。 もともと現実より夢への憧憬が強かったので、夢の改ざんは透と同じくらい素質があった。 透への別れを惜しみ、舞亜を逆に支配して(ウサギ→赤の女王)でも夢の世界を続けようとしていた。 弥生はひとりひとりそれぞれの幸せを追及した夢を見せようとしているけれど、それは一人だけの幸せ。 そもそも、まあ、夢はひとりだけのものってのは最初から断言されてるもんね。 兎を模した夢の世界のバニーガールも、アリスモチーフなのから終盤で追いかける存在になるのも、もじってるのかな。

弥生すらおぼろげだった、ふたりの最初の出会い「新入生見学」の出来事を透はしっかりと覚えていたのが、 人は主観で生きているということを証明。 なんでも思い通りになる夢の世界は、結局は自分ひとりのエゴで。 弥生は、ひねた昔の自分を透に見せたことがないと思っていた。 だから演技の上っ面を整えた自分と、今の本性を見せた自分を好きだと思ってた。 夢に逃げるという行為も、それが原因。 消えていく出会いの記憶のなかで、透に最後に残った「新入生歓迎」。 この欠けてたピースが揃うことで、弥生は透と共に現実世界に戻ることを決める。 最後に空港で一緒にいたいと号泣するまで、人にろくに頼ったことがなかたんだろうなあ。 透が大学落ちたのは笑ったけど、4人ルームシェアでイギリスに飛ぶのは、それこそ都合のいい幸せな夢。 それを1年手回しして現実世界で叶えられたのは、やっぱ現実も悪くないよってコトかな。 わざとらしいお色気演技が好き。 一回目の別れがマイアがいないことを認めるとしたら、 2回目はマイアとの別れを認める。

 

・鳥海 有栖(とりうみ ありす)・鳥海 有子(とりうみ ゆうこ)声 - 北見六花


最終話「dream sick diseased」。水色のアリス服はディズニー版がモデルかな。ポピュラーだし有子が読んだことがあるのかも。 ヒロインの多くが一癖ある性格のなか、ポジティブシンキングでストレートな彼女には癒された。 序盤では夢の世界以外の記憶が無く、あまり気にしていない享楽的な面を見せる。 透の理想の具現化疑惑もあり、ミステリアスで浮世離れしていた。 案の定、現実世界の存在ではない。 エロシーンのほとんど淫夢、他キャラとは違ってアリスの意志のもとではない。 耳年増な面が多い。

 

「透が女の子を見ているのは愛以外の感情。友情とか、同情とか、義務とか責任とかついでに自己満足」
「あとは、ただエッチしたいっていう気分。だけど愛が無いから自分で歯止めがかかっちゃって押し倒せない」
「ただエッチしたいってだけで、大事に思ってる友達を押し倒して良い訳が無いから――違う?」

 

中身ちゃうけど高原さんのシーンくるとは思わなかった。 鳥海の代わりの主人公だったアリス。 結局透たちが巻き込まれていた夢は、鳥海の見ていた大きな夢の一部だった。 だけど明晰夢を見る透は全部覚えている。 舞亜は夢を操れない、案内するだけ。

 

最終話

「夢の国の中を飛び回る女の子。自分にとって悪い夢は全部『赤いバラ』にしてしまって、切り落として行く、 まさに夢の国の女王様だもの。ふふっ」
「目の前にあるものが現実よ。そういう意味じゃ夢だって現実の一部だわ」
「はいはい、何かしらお兄ちゃん?」

このシーンは震えた。 有子にとってのアリス、透にとってのマイア。 どちらも自分の分身で自分自身。 最後に「それぞれの彼女を選んだ夢」を抜けて、有栖を目指す。 有子の記憶を改ざんして、有子の現実を変えた。 そして最後のオッドアイで、有栖は消えてないんだと認識。 マイアとも別れられるワケがない、死んだことを忘れる訳では無いのだから。 透の姿がCGに登場しないのはそういうもんだと納得してたけど、 有栖ルート終盤で怒涛のように出たのは泣いたわ。

 

・内藤 舞亜(ないとう まいあ) 声 - 遠野そよぎ

チェシャ猫ポジということで、半月形の笑顔がチャームポイント。 ラスボスかと思いきやのトリックスター。 表のメインヒロインが有栖だとしたら、裏のメインヒロインは舞亜。 有子は有栖と表裏一体で表扱いで。 遠野さんのフェロモンのあるボイス。 一貫して、悪役になってでも兄と咲を幸せにするというエゴを追求する実妹。 たとえそれが本人たちが否定する夢に溺れる結末だとしても。 献身的な妹。


ハピメアが終わってみれば、一番印象に残ったのは彼女だった。「焦がした甘い蜂蜜とお菓子と森の匂い」という描写が繰り返される。舞亜の象徴という印象をプレイヤーに与える。
透の記憶の具現化で、一種のイマジナリーフレンドかな。 ただ有栖と有子の関係を見るに、それぞれが独立しているのでひとり遊びにならなかった。 舞亜が見ているものは全て透を通しているので、彼女自身が手に入れられるのは透だけ。 たぶん小○にも関わらず、実の兄の困った顔が好きというイイ趣味を持ったヒロイン。 個別エンドは、夢に溺れた透に幸せな夢を捧げ、添い遂げるかたち。 遺体が見つかっておらず、生き返るような奇跡は起きない。 舞亜の存在の有無までは現実世界に関係しない。 最後まで煙にまかれたようなつかみどころのない存在だった。 舞亜はひねくれてるけど、人の尊厳を不用意にいじったりはしない。 舞亜自身が皮肉にも「やり直し」の象徴で、夢の改ざんはそのスタイルでしか出来ない。 

あと舞亜については以下の感想でダラダラ描いてます。

 

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