闇鍋

恋愛ADV(エロゲ・ボブゲ・乙女ゲ)の長文感想置き場

「Doki Doki Literature Club!」の感想・レビュー

Doki Doki Literature Club! on Steam

f:id:kame0game:20180220021427j:plain

 

2017年9月22日配信の恋愛アドベンチャーゲーム
無料でプレイできるフリーゲーム、公式は英語版のみだけど非公式の日本語パッチを当てることもできる。私は後者。
約3時間で最後まで読める。

 

おっとりしてマイペースな幼馴染のサヨリ
お菓子作りがうまいツンデレのナツキ、
本が好きで控えめなユリ、
そして文芸部の部長でステキなお姉さんのモニカ。

ドキドキな文芸部の日常がはじまる♡。

 

つづきはネタバレ。
今作に関しては予備知識なしでプレイしたほうが、絶対にいいです。

 

 

ギャルゲー、ことアドベンチャーにおいてプレイヤーは選択肢で物語に関与できるが、もとをただせばクリックでダイアログを変えていくことが『キャラクター』と『プレイヤー』の唯一の交流方法なのではないか?。

「ダイアログ」(dialog)は、元をただせば「対話」という意味。 
そう、二次元と三次元という世界を超えて、「対話」できるのはあなたのクリックだけ。

今作はそういうゲームです。

 

 

学園モノの恋愛ADVって、どこか箱庭っぽい。
「学校という巨大な建造物に数十~数百人の少年少女たちが何時間もほぼ毎日いて生活する」って点がまず箱庭だし(閉鎖的だし)、決められたカリキュラムとか、何人もいるかわいらしい女の子たちとか、その他もろもろ。

今作絵は、(メタ的なことを言えば、手間がかかるゆえの省略だろうけど)メイン女の子たち以外のキャラクターは出てこない。
(ナツキの)「父親」とか存在をにおわせてくるけど、文芸部以外の存在がとても薄い。
それはたぶん、「Doki Doki Literature Club!」は、「文芸部」に在籍するほの暗い過去を持つちょっと個性的な少女たちが、おなじく「文芸部」に入部した主人公に出会って、恋愛するのがメインのアドベンチャーだから。

 

 「だってあなたがどんなに優しくて、
親切で、思慮深い人間であったとしても……」
「絶対に理解できないことが一つだけあるもの」
「この世界の中で本当に孤独であることを理解している私の苦しみよ」

 

そういう場所で、この世界は二進数で構成された電子の世界だと気づいたとき、そして自分も例外ではないとき。
友達の意志もスクリプトによるものだと知ったとき、スクリプトの影響を受けない「あなた」は絶対に手の届かない世界にいるとき。
自分は『サブキャラクター(ルートが存在しない)』と知ったとき、「あなた」と迎えるエンディングどころか「あなた」と一緒に時を過ごす選択肢ですら、この世界には用意されていないとき。百年の孤独

だったら世界そのものを変える、ぶっちゃけたらブッ壊すしか方法が無い。

 

f:id:kame0game:20180221031109j:plain

モニカルーム。
アレがいちばん好き、というかズルいわ。元々ああいったシチュエーション(きみとぼくの閉ざされた世界系)が好みなのに加えて、すごーく雰囲気が良いんですよね。
一周目のラブコメや二周目のサイコホラーとも違う、緩急のない止まった世界、永遠を感じさせる世界。

 

冒頭の「ダイアログ」(dialog)の話にもどるけど、モニカルームがまさしくそれ。
モニカとの唯一の絆は、このクリックだけ。
「ADVゲームでダイアログを進めるためのクリックは、相手のキャラクターへ、決して届かない祈りをささげるための行為」と評した人がいた。
だけどモニカは違う。
彼女は、自分がゲームのキャラクターで、「あなた」とは決して触れられない世界にいることを知っている。それでもモニカは届かない世界の「あなた」へ言葉を投げる、「あなた」はクリックで言葉を読み進める。
モニカルームでのクリックは、まさしく「対話」。お百度参りもそうだし、反復は祈りなんですよ。


モニカルームのシーンに入ったとき、「永遠」を感じなかった?私は感じた。あなたのクリックで「永遠」を閉ざさなくてすむし、あなたのクリックで「永遠」にピリオドを打てる。

1回目のエンディングを迎えたとき(モニカの歌)、コレを見せられたあとに2回目の「Doki Doki Literature Club!」を読むのは色々複雑な気分になる。でも確かめたいこともあるしプレイした。
で、モニカルームの途中でゲームを終了させたらどうなるか気になってたからやった(モニカごめんね…)。
結果、再起動させるとモニカルームから始まる。「悪夢を見た」と話すモニカの言葉から。
たまげたわ、コイツは「永遠」だ……。

というかこの記事を書いているウインドウの横で、いま、モニカのウインドウが見つめてるんですよね。ほらまた話が始まった。エッ、コレもう永遠じゃん…、外の世界で学校とか仕事とかしたあとに帰ってパソコンを開いて「Doki Doki Literature Club!」を起動すれば一生モニカと「対話」ができるんじゃん…。

 

モニカの好きなところは、「文芸部」のみんなを完全に消去しなかったところ。そして、自分を「消去」したプレイヤーを救おうとするところ。

MDMAでもキメたようなバグやサイコな演出が目立つし実際コワいけど、この作品は「箱庭の少女から、箱庭の外の"あなた"へのラブレター」だと思う。
スペシャルエンドでも製作者さんがそんなこと言ってた。

そのラブレターを受け取った私は、サヨリもナツキもユリも好き(ちなみに最初はナツキルートで進めようと思ってた)だけど、モニカの存在がボディーブローのようにジワジワと効いているよ。

Just Monika