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闇鍋

恋愛ADV(エロゲ・ボブゲ・乙女ゲ)の長文感想置き場

「古書店街の橋姫」の感想・レビュー

女性向き-BL-成人

古書店街の橋姫

 

古書店街の橋姫 公式サイト

 

同人のBLゲームなんですが、グラフィック・BGM・インターフェースなど商業作品と銘打っても勘違いしてしまうクオリティ。PCによってはDLに手間がかかるのがたまに傷とはいえ、良作であることは間違いないと思います。シナリオもグラフィックも同じかたが担当しているのは丸木さん以外で見たことがなかったのですが、スゴいですねくろさわ凛子さん。
フルボイスの作品で、出演されている声のかたはいわゆるネット声優さん(一部プロのかたの別名義もあるのかな?)なのですが、みなさん演技が達者でプレイ中に気になることはありません。川瀬と治司と砂山が好み。

 


同人ゲーム「古書店街の橋姫」OP

楽曲も良いですね、OPがとても好き。起動のたびにスキップせずに見てました。 
前半はおちついたトーンのグラフィック、後半で一気にあざやかに。みとれる。

 

舞台は大正時代の神保町。そう聞くと純和風なグラフィックを彷彿させるけど、上記のパッケージを見ればわかる通り、彩度の高いポップな色彩のスチルがときおり混じる。コレが不思議にも静謐な文章とマッチしている(大正レトロとかあるし相性の良い組み合わせなんだろう)のが魅力的。あとわたしがダンガンロンパが好きなので、血がピンクで描かれているのはなんかテンション上がりました。ほかにも血がショッキングピンクで描かれている作品ってあるのかな、たぶん好きになりそう。

閑話休題

本作は「雨の降る三日間を繰り返す」ループもの(公式のあらすじに書いてあるのでネタバレじゃない)でループの構造は難しくないものの、それ以外の要素がかなりこんがらがっててプレイヤーの頭を混乱させてくる。例にすると、『A』というルートで提示された謎が『C』というルートでナチュラルに明かされるので、意識しないとドンドン置いてかれそうになる。読了後は単にわたしの頭が追いついていないのかと思っていたけど、どうやら他の方もついてきてないようでちょっと安心。
色々言うとネタバレになるので、それは後の方に書いときます。
攻略順が固定されていて、選択肢がそのままルート分岐になっているので、基本的に物語を読みすすめることしかプレイヤーは選べない。コンプしたあとだと、この辺も意図的だったのかなあ。

R指定のある作品ですが、エロは控えめ。
各キャラルートの終盤に一回だけだし、文章やグラフィックも直截な表現を(なるべく)避けていてあっさりしています。

 

好きなキャラは川瀬かな、媚びない性格を突き通してて好み。そしてサブキャラの砂山が地味にツボだったのは計算外。BLゲームで女性キャラが好みってのはあまり無い(そもそも出番があんま無い)んだけど、彼女は私のストライクゾーンに合致していたよう。それにしても夢幻廻廊の祐美子といい、静かなる狂気を持つ物腰のやわらかい女性キャラに私は弱いんだなあ…。

 

攻略キャラに「コレだ!」という好みストライクゾーンド真ん中なキャラはいなかったものの、最後のルートで橋姫という作品がツボに。ただよくわかってないです。
読了したあとは、作中の文学を手に取ってカルスピとオムレツが食べたくなる面白い作品でした。

 

あとはネタバレ。

 

いつもならキャラクター感想が追記になるのだけれど、各ルートを私がよく把握してないのでイマイチ難しい。なので、ごった煮のネタバレ感想ってことに今回はします。

 

最後のカオルルート、コレがクセモノ。端的に語れば「いままでのことは玉森の創作だった」と明かされるルートで、そうすると今までの幻想と現実が入り混じった模様も納得するし、なによりそういう展開が私はメチャクチャ好みなのでテンションが上がった。だけど、そうすると「『橋姫』も玉森の創作だったのか?」と思って読了後は脳内にクエスチョンマークが大量に発生したけど、『橋姫』自体はホントに存在していると考えていいんですよね????いままでのルートは『橋姫』によって発生した、いくつものパラレルワールドで、『水上たち3人が他界していた』カオルルートすらもその一部ってことかな???

 

「『ドグラ・マグラ』をプッシュするなら入れ子構図が来るかもなあ」と思ってたけど案の定難しい。そもそも私は『ドグラ・マグラ』を途中で読むのをやめたので、橋姫が難しいのは当然だった。あれこれ考えるより2週目したほうがいいかもな……。

 

川瀬ルートの「悪人は偽善者じゃないと救えないからね」「痛かったら、言って。……俺が気持ちよくなれるから」、それに加えて治司くんもといメイコの手助けで川瀬に追いつこうとする玉森のエンディングまでのシークエンス。博士ルートの「博士の罪がなんであろうとどうでもいい。…ただ重ければ重いほど、私と一緒に沈んでもらえる。どこまでも、堕ちてもらえる。」「私は嘘つきですが。正直な人間は、好きですよ。」など、心に刺さるシチュエーションがとにかく多かった。
そして、水上ルートで前世の話が展開されたときや、花澤ルートの”世界にふたりっきり”なエンドなど、「なんかよくわからないけどすごい」展開には血湧き肉躍ったので、良い作品だったと思います橋姫。頭からっぽなまとめかたになってしまった。