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闇鍋

恋愛ADV(エロゲ・ボブゲ・乙女ゲ)の長文感想置き場

「ク・リトル・リトル 魔女(オトメ)の使役(フレ)る、蟲神(テンシ)の触手(ユビサキ)」の感想・レビュー

「ク・リトル・リトル ~魔女の使役る、蟲神の触手~」応援中!

 

フリークスラノベバトル+クトゥルフ忍法帖シリーズ。
最初に言っとくと、私はクトゥルフのこと全く知らないからクトゥルフネタにも全く触れない感想です。

あと核のネタバレにふれた概要なので続きはしまっときます。

 

 

ジャンル「伝奇系触手バトルADV」に加えてデンカレのオープニング(「elder things」)もかっこいいから燃えゲーに見えるけど、実際はカオスゲー。
主題歌をBGMに名乗るシーンはテンション上がるけど、基本的に燃え要素は薄い。というかバトル要素は大味。

 

メインは、クトゥルフのSF要素・ループする世界・ヒロインが全員フリークスなところ。
ちなみにループは、ラノベバトルなノリの『アオゾラ』と、タブーに踏みこみまくりな『ヨゾラ』の2つの世界で繰り広げられる。
特に『ヨゾラ』はアングラなエロゲじゃなかったら色んなとこに怒られそうな要素が満載。

 

ブサイク作品にしてはグロは控えめだけど、スカがエグい。特にクズコ100円と兎子過去がつらい。前者はグラフィックやシーンが無くてさらりとしているけれど、クズコの足りない部分を考えるとしんどいものがあった。
それとアブノーマル性癖博覧会と言えるほどシチュエーションが豊富だったけど、いきすぎた淫語や言い回しがいちいちシュールで悲壮感は薄かった。たんぽぽの淫語はポエムだから仕方ないね。
ムカデ人間プレイや男の妊娠や陰部に頭部つっこむとか、誰が幸せになるんだ?というシチュが多かった。

 

で、面白そうなところは多いのに、正直言うとあんまり面白くなかった…。
「ずいずいずっころがし」の童謡や金色の夕方とか「昔に会った金髪美少女と奴隷になる約束を交わした」など、退廃的な雰囲気はグッドだったのになあ。


伊藤ヒロさんだから周回のギミックあると思ってたし実際ループゲーなんだけど、肝心のループ要素が水増し。
伊藤さん繋がりということで例にすると、夢幻のループシステムは「たろの精神調教をプレイヤーが疑似体験する」という意味でスゴイ効果的だった。
ところがこっちはどうしてレーチにそこまで執着するかわからんこいぬのループに付き合わされるわ、肝心のれーちは空気だわ、ラストループにあたるエンドも拍子抜けするような淡白さで、ループの意味が薄かった。
てっきりまだ真エンドがあるのかと思いきや、あれがハッピーエンド?ぽくて「ハ?」ってなった。

 

とにかく核であるレーチとこいぬの関係と、レーチが何を考えてるかが希薄すぎる。シスコン気味?ぐらいしかわからねえ。
銀髪カチューシャの主人公はエロゲじゃ珍しく、スチルや立ち絵などビジュアルがバンバン出る(私服がゴスっぽいのは世界観にあっててよかった)のに、出番や描写がいちばん薄い。主人公なのに…。

 

ループゲーにしてもシナリオが単調なうえにスキップが間違い探し状態で、ラスボスもお前かーいで、本当にループを抜けきったのかも不明瞭なので、総じてカタルシスが薄い。
結局オーガストたちはもともと欠けたところがあったのかも定かではないし、そういう「何が正しいのか?」というあいまいな部分をプレイヤーにゆだねているんだよな。
なんか大きな存在が宇宙にいたしランディはメタネタふるし、クトゥルフをわかっていると考察が深まる作品なのかなとは思ったけど、私は知らんかったからイマイチで終わってしまった。

 

ただ、映画「フリークス」が封印されていた理由や小人プロレスの廃止に通じる「障碍者を同情して追いやる行為こそが本当の差別」という点を萌え要素と美少女キャラで軟化させて書いていたのが、エロゲならではの表現方法だなあと感じた。
実際ヨゾラのオーガストエンドが伊藤ヒロさんが書きたかったことなのかな、と思ったし、そっちメインで読んでみたかったけど今の時代じゃエロゲでもキツいのかな。

 

あとはキャラ感想。

 

 

オーガスト

金髪いばりんぼう。
こういうキャラは美少女という利点のかわりに人格破たんしてる場合が多いけど、オーガストは意外にもそんなに間違ったことはいってない。
澄白キヨカさんのボイスがハマっていて、名乗りのシーンと告白シーンはお気に入り。後者はうるっときたな。


現実でも四肢欠損していたのかがわからんけど(でもアオゾラでユゴスになったこいぬが次の世界では兎子は変質者にさらわれてオーガストダンプにひかれちまえみたいなこと言ってたから現実では違うっぽいか?)、事故のことで誰も恨んでいないのはやるせない部分だった。
ヨゾラのオーガストエンドで、レーチに介護されることについてとても深刻に考えていて、非日常の象徴みたいな彼女が実はレーチが大好きでナイーブなふつうの女の子だったのが印象的。
いままでの生活感の薄さがウソみたいに、この介護生活については生理的なものも含めて細かく描写されている。食事(タンブラー)から鼻の掃除まで。

レーチはろくに描写されてない空気だけど、このエンドではオーガストへの愛がつきぬけてていいやつに思えた。
まあでもそのあとの町中人混みックスは「????????」だったけど。最後の赤目こいぬはホラーだった。


久世こいぬ

ただの妹かと思ったら、ループを引き起こすユゴスの王とかいう最重要キャラ。

ループの大きな理由である兄との関係がほとんど掘り下げられなかったから、いまいち「ク・リトル・リトル」にハマりきれず平坦に感じてしまった。
両親が他界したあとに兄と離れて関西の学校に通っていて(だから方言)ひどいイジメに合っていて………ってのが現実世界の事実だよね?一応。


アオゾラのこいぬエンドは「現実の兄が待ってる世界に戻る」だけど、こいぬはラストクリーチャーでよくわからなかった。たぶんクトゥルフ知ってるとわかるんだと思う

ヨゾラのこいぬエンドは「事故で昏睡したままのこいぬにレーチが依存して、こいぬとつかのまのぬくもりを求めるために昏睡ックスする」というもので、ラストもレーチが「死のう…」となっていて、こいぬは兄とふたりだけの世界でハッピーなものの鬱な世界ですね。

 

方言のヤンデレ近親相〇妹は新鮮なうえに、野宮香央里さんのボイスもキュートで、「ク・リトル・リトル」を進めるモチベーションになったものの、よくわからずに終わってしまった。
八忘の「ざまあ♪」は印象に残ったな。

 

加藤 兎子

レーチより主人公っぽい。

最初はツンギレ幼なじみキャラがあんまり好きになれなかったけど、クレオとのやりとりや正義感の強さで、最終的には好きになれたキャラだった。
魔王オーガストVS母の愛にめばえた兎子は、主題歌もながれて数少ない熱い展開。

ヨゾラはカニバ洗脳入れ墨など過去が壮絶すぎる。

そのた

しずく先輩は傍観者でメタ視点キャラ(これもクトゥルフネタ?)だからルートは無かったけど、逆に言えばこいぬの影響力から逃れて、鬱な設定はつけられなかった。
クソみたいな目には合うけど。
いちばんまともな人だった、もともと目が見えなかったのかな?

 

サブキャラで一番好きなのは、たんぽぽ。ア○○○ファビアは危なすぎる発言。
ロリキャラで柔らかくしているけど小人症に近いものを抱えているし、いろいろ規制に引っかかりそうな存在なだけに、ライターの規制への反発みたいなセリフが多かった。名言も多かったね。