闇鍋

恋愛ADV(エロゲ・ボブゲ・乙女ゲ)の長文感想置き場

「プリンセスうぃっちぃずEXCELLENT」の感想・レビュー

「前半は明るくて後半が暗い、ストーリーがイイ」という評判を聞いて、ワクワクして始めたけど期待よりは下回ってしまった。

前半はエロコメディでエロゲ学園モノと魔法少女モノの王道を踏みつつ進んでいき、うってかわって後半は鬱…なのだけど、その鬱っていうのが臓物パッパラーなゴア表現が文章のみで描写される鬱で、かわいい絵柄とのギャップっていう直截な意外性はあるし、ほがらかなヒロインが血みどろな殺戮をするのは驚いたけど、なんていうかウェットではない。
だから心に尾を引くような衝撃は無かった。

 

正義編・真実編・英雄編で構成されているシナリオは、力だけではハッピーエンドにできなかった正義編と、真実にたどりついても悲劇を引き起こしてしまった真実編までは結構良かっただけに、肝心の英雄編で急に雑にまとめてきたのが残念。
英雄編でデウスエクスマキナであるアスナが参入して、とんとん拍子に物語が進んでいくのはウーン。
正義編と真実編の終盤でつちかったシリアスさが、英雄編で急に序盤のコメディ調に戻るので緊張感もなにもなくなってしまい、なおさら尻すぼみ感が。

 

『「光と闇の対立」じゃダメで、全てをハッピーエンドにするために「光と闇の共存」を求める』っていうテーマは好みなだけに、後半が雑なのがメチャ残念。
ただ、光のヒロインと闇のヒロインどちらを選んでも、ちゃんとハッピーエンドになるのは本作のテーマに沿ってていいね。

エロシーンが多いし、キャラに萌えて思い入れが強くなると120パーセントぐらい楽しめる作品なのかなあと思った。
確かにヒロインはみんなかわいかったし好感も持ったけど、その気持ちは萌えとは違ったよ。

ちなみにヒロインは4人いるけれど、ちゃんとしたルートがあるのはクルルと委員長のふたりだけ。
林檎は一応ルートあるとはいえ本作で重要な魔女に全く触れずに終わるし、かれんはルートが存在しない。
かわりにおまけシナリオがあるものの、ストーリーっていうよりはエロシチュ重視で個別ルートじゃないかな…。

 

演出は、とても良い。
軽快なSEと勢いの良い展開、そして文字表示が2行なのもあってテンポ良く読み進められた。

戦闘は暗記とじゃんけんのカードバトルで、派手なエフェクトとギターバリバリのBGMがアドレナリンを噴出。
こういうADVのミニゲームは、後半になるにつれて物語を読み進めるために惰性になりがちだけど、珍しくコレは最後まで楽しめた。
やろうと思えば連鎖を続けて速攻でバトルを終了できるし、キャラボイスが小気味いい。

 

あと学校制服がエロゲにしてはおとなしいデザイン。
魔女っ子衣装もむだに扇情的ではなく普通の魔女っ子ものにあっても違和感が無さそうなフリフリで(委員長はのぞく)、その印象が強いのか不健全な展開があるのに不思議と健全に感じるときがあった。

バカゲーぽいアバンタイトルはクセになったし、必ずハッピーエンドで終わるエッチでおバカな魔法少女ゲー(グロはアクセント)と思えばおもしろかったんだろうけれど、シリアス部分にかなり期待しちゃったから拍子抜けしてしまった作品だったよ。

あとはキャラの感想。

  

御堂真樹

主人公。
初印象は良かったけれど話が進むにつれて、エロシーンにしても普段の行動にしても単細胞すぎて合わないかもな…と危惧したけど、フルコンしたあとは結構好きにはなれた。
ヒーローになりたい信念がゆるがないところは好感を持てたし、入れてないからセーフ理論のエロ展開の部分も勢いがすごかったから、だんだんとそういうもんだと思えた。

クルルと委員長と真樹は小さい時に会っててその記憶を消されたらしいけど、そのへんうやむやだったよね。
どうやって会ったんだ…。

あと戦闘パートだけボイスがつくのだけれど、やたらイケメンな声だなと思ったらグリバ…。
特徴あるから一発でわかってしまう。

 

クルル

「チューした責任、取ってもらうからね!」

出会いらへんの、このセリフにはグッときた。

頭が弱いというよりは無垢な光の王女で、快活で謝るとこはちゃんと謝れる子だから好きなキャラ。
ただ、たまにボイスが頭にキンキンする。
バトルパートや呪文は映えるけど、普段の会話のときだけキンキンだった。

正義編ラストで見せた憎悪もそのうちプッシュされるかと思ったらそこだけ。
光と闇のイデオロギーなら、人間だれしもが持つ正と負の感情も両方受け入れる展開になるかと予想してたんで、それはそれこれはこれなのかーと。
まあ、あれは闇の魔法の影響もデカいからか。 

まっすぐな少女っては良かったけど、もうひとおし欲しかったな。

 

委員長 

プリンセスうぃっちぃず」というタイトルは「姫はどっち」なダブルミーニングもこめられてるんだろうな、公式サイトもそんな感じだし。

普通の女子学生と思いきや、実は闇のプリンセスでオルの娘のナターリア。
自分が人間ではなくて闇の魔女だったことに嫌悪感を抱きながらも、実の母親に会いたいってのが真実編とか英雄編のキーになるんだけど、委員長の今までの人間世界での生活がいまいちわからないから、「ほーん」としか思えなかった。
それが、自分が本作にあまりのめりこめなかった理由のひとつ。

 

施設出身であまり裕福ではないうえに魔女世界では疎まれる闇の魔女ということが判明して、実の姉妹なのに正反対の恵まれた環境で育ったクルルをひがむのはわかる。
で、その描写はちょっとあるけど、ちょっとだからそんなに無い。
というか本作のキャラクターはプレイヤーになるべく不快感を与えないために配慮してそう(制作側が)、だからヒロインが他のヒロインに露骨に当たり散らすとか、そういう「生の感情をぶつけるのは個人ではなくて現象」ってのが徹底してると思う。
だから、優しい世界の魔法少女モノとしてはよく出来てるんだけど、なまじシリアスなところを描いたなら、人間同士の生々しさも出して良かったと個人的には思う。

 

真実編の委員長は、真樹の手で殺されたことで愛する人の心に永遠に存在することができたうえに、母親のそばにいくこともできるっていうダークさは割と好みだった。

 

雀宮林檎

バカちん○連発だけど常識人ポジの幼なじみ。
魔女関連ほぼほぼノータッチルートだから、いまいち印象が薄い。
個別以外だとフェラはしても主人公には決して振りむいてもらえないキャラで、なんか不憫だな。

 

春日かれん

ミルクと称してフェラばっかしてたのはエロゲ都合だけではなく、正体がホムンクルスだからかと地味に感心。

 

本編でルートは無く、かわりにオマケエピソードが充実。
おつかいは、イチャイチャラブコメで時期は作中のパラレルぽい。

もうひとつは真樹が誰ともくっつかなかったルートで、シンシアの頼みでメイヴィスを復職させるために住み込みで説得をこころみる話。

カレンがひとりで結構おいしい料理をつくれるようになって、先生とかやって、好きって気持ちも自覚するにはオッケー。
内向的な性格に自信をつけて、真樹のそばにいるヒロインとしての自信をつけたいってのもオッケー。
そのためにセックスをしたくて、母親(メイヴィス)が手本を見せて、最終的に親子丼で後に親娘で妊娠してハッピーかコレ?!

急ぎ足すぎでしょ、でも妊娠知って主人公の単純さ100パーのイヤッホーイには笑った。
ふたりまとめて幸せにしてやんよって感じだったし、確かに真樹とならハッピーに過ごせるんじゃないかな。