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恋愛ADV(エロゲ・ボブゲ・乙女ゲ)中心の長文置き場

鳳兄妹の接点まとめ

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meka.hatenadiary.jp

 

アフターストーリーの記事で「目覚ましが欲しい欲しい」と暴れていたのは記憶に新しい、無事入手できました。ウン十年オタクとして生きてきたけれども、ふりかえると”ボイスクロック”というグッズを持っていた経験が無い。というか、目覚まし時計をこんなに欲しがったことが無い。
文庫本より一回り大きい、手ごろなサイズは小柄な体躯をなんとなく彷彿させるし、エナメル塗装の黄色は鮮やかで「鳳鳴(おおとり なる)」という少女の陽のエキセントリックさに合っている。まあこの手のボイスクロックは大体同じサイズ限られたカラーだと思うが、そんな野暮なことはどうでもいい。こうして自分が目にして手にして感じたことが重要なのだ。でもフィギュアならまだしも目覚まし時計で架空の女子学生に思いを馳せるのは限界だと思う。偶像崇拝にフィギュアを選ぶのは「フィギュア」という言葉の意味(=図形、姿、かたち)からして自然だけれど、目覚まし時計に美少女の影を重ねるのは頭をかかえる。めざしの頭で信仰する民衆もいるんだし、まあ形は関係ないよ。大切なのは気持ち、気持ち。でも鳴のフィギュア買えるものなら欲しいよお願いNavel
話を戻す。時間設定は1時間ごと、しかも音量調整すら出来ないアバウトさは、いくらでも便利なものがあふれた2019年ではかえって新鮮。むしろ存在の質量が増す。王雀孫氏が筆を取ったのかは不明だが「ゴロゴロゴロニャーン、フー!フー!ッシャ!シャッ!」という雌猫の発情期さながら小粋な目覚ましボイスは刺激的、藤野らんさんの飴玉を転がしたような声質とのギャップも良くて満足。でも仮にも美少女ゲームの目覚ましボイスがコレでいいのか?鳴の面目のために言っておくと雌猫発情期以外もボイスはあります。でも、それもウィットに富んだ皮肉なアレなので全然萌えない、美少女ゲームの目覚ましボイスがコレでいいのか?ともあれ美少女ゲームの時計を入手してキミも文化的な生活を送ろう。

 

ここまで前置き。このブログを始めた頃は無機質な感想を心がけていたけれど最近は俺つばの人間関係(主に兄妹)について延々と話しており、良い意味でも悪い意味でもオタク的な面がヒートアップしている。人間狂ったほうが見ていて面白いからいいか。ブログは檻、見世物は自分、読み手は客。
内容は、タイトルの通り「俺たちに翼はない」に登場する鳳さんちの兄妹こと「鳳翔(おおとり かける)」と「鳳鳴(おおとり なる)」の接点まとめです。まとめと言っても簡易的なもので、自分以外に鳳兄妹を追う人間が2019年にあらわれたときのための伝達と、自分用のまとめです。「兄妹しての概念が強固だな」というものから並べています、主観です。兄妹に真剣ですが羞恥心は別なので、はずかしくなったらこの記事は非公開にします。


俺つばの関連作品はほぼ履修していますが、以下はチェックできていません。また、カウントダウンボイスはシスコンカケルくんの片鱗が見えますが自分が直接聞けていないので入れていないです。Navelさん再録してほしい、切実に。

  • ヘルタースケルター(高騰しているうえに入荷すら見たことない)
  • 第四次人気投票副賞ボイス(インターネットをひっくり返しても微塵も出てこない)
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「眠れぬ羊と孤独な狼」の感想・レビュー

メチャクチャおもしろかった。美少女ゲームとVシネと殺し屋イチが好きな私のツボをギュインギュイン突いたので、好みの合致はすばらしい。自分は映画だと「狂い咲きサンダーロード」とか「隣人13号」が好きなので、その手の趣味の人には刺さる作品ですね。
眠らない歓楽街「歌舞伎町」を舞台に、「眠れない羊」こと”俺”と「孤独な狼」こと”あざみ”の最高で最悪な初恋が描かれるロマンノワールADV。眠らない都会で眠れない男が主人公、という時点でグッと来る。あと不謹慎な余談だけど「愛と殺人の物語」の舞台を歌舞伎町にしたのウマい、射殺とかラブホの事故物件が多いから。あと、歌舞伎町の実際にある某喫茶店で中国系のこわい人が日本のこわい人を射殺した事件があるんだけど主人公が住むホテルと同名なんだよね。羊狼でよく見るワードが多いから、もしかしてそこから取ったのかな。

本編(ネタバレ)

まず、導入が面白かった。過去のトラウマで「死」に怯え、人を殺した夜だけ安らかに眠れる"俺"が、極道お抱えの殺し屋として幾多の夜を超えていたところに”あざみ”という殺人鬼に出会ってしまう。そして、あざみに殺されかけた”俺”はセックスで疑似的に彼女を”殺す”。18禁だからこそ出来る関係の始まり、そしてあざみは”俺”に恋をする。この運命の夜にはシビれた。断崖絶壁に向かって手を繋いで走っていくような、イカれた二人の最悪で最高の初恋が始まったんだなと感じさせるファンファーレ。本文でも言われてたけど羊と狼の聖婚を夜空の星だけが立会人として見守っているんだね、でもそのシーンでは空は曇ってて星見えないです。


そのあとは「ブルーフィルム」と呼ばれるヤバいシロモノをめぐって、警察や極道に追われる主人公たちの逃避行が中心になる。ただ、羊狼は『”俺”とあざみの関係』を描くことを徹底しているうえに、”俺”は権力のシーソーゲームに出来るだけ近づきたくないので闇社会関連はあっさり。ふろしきを大きく広げたわりには最終的に小さくまとまる。また、フィルムノワールな中盤までとは打って変わって、最後に解放されるルートはドンパチアクションだから人によっては肩透かしを食らうかも。
でもそこは「数十人の男相手に肉弾戦をこなす、人間離れした身体能力の少女ヒロイン」で始まっているんだから、スタートの時点で「この作品は漫画っぽいエンタメですよ」と明言されていると思うんだよね。そのほかにも「改造車イスのダルマ女」や「元マフィアトップで現デリヘル運転手の渋いおじさま」とか「深紅のデニムと黒のボンテージを着こなす悪徳女刑事」など、ケレン味あふれたキャラクターが物語を彩る。いちばん出番が少ないであろうラブホのばあさんすら味があり、印象に残らないキャラがいない。それだけに終盤の諸行無常展開が惜しい。やろうと思えば「ほぼ全キャラの共闘で恩田をブッ倒すエンド(最終√でやりかけた展開)」とか「デリヘル組(美玲ちゃんとパッパと李さん)との成り上がり一大9劇エンド」や「あざみや兄との奇妙な三人組エンド」など(可能かどうかは置いておくとして)色々できたと思うし正直見たかったけど、今作は『”俺”とあざみの関係』を軸にしているのでそこは意図的に描かなかったのかなあ、と。あと主人公のトラウマが「唐突で理不尽な死」なので、恩田が大暴れな最終√はそのメタだと感じた。魅力的なキャラクターが見せ場も無く、あっけなく脱落していくことに今も悔いているから余計にそう思う。

 

シナリオは長くないけど、細かいところまで手を抜かない演出が光っていた。エンディングによって曲が変わるのも凝っているし、「今時のアイドルソングが流れた店内~」みたいなテキストでちゃんとBGMが変わったのに感動(しかもちゃんと女性シンガーの歌入り)。歌詞入りのBGMを付けるのって工数かかると思うし些細な部分だけれど、そういう演出にまで手を抜かないんだなあって嬉しくなった。私はそういう店に行ったことが無いので、まるで本当に風俗店にいるようで感動したよ。美少女ゲームって"デートシュミレーター"と呼ばれていた時期もあるんだし、未経験な物事を追体験させてくれるって意味では律儀だと思った。

 

のりざねさんのグラフィックも良い。氏が担当しているゲームは未プレイだったけど、もともと絵柄が好みで名前だけは知っていた。リアル寄りの絵柄は老若男女が登場する現代モノにピッタリ。人物のハイライトが彩度の高いブルーになっているのがサイケでこれまた羊狼のイメージに合う。のりざねさんはとにかく絵がウマいし、汁まみれなエロい絵も最高。そしてクロアプなのでスカかグロはあるだろうな、と思ってたらやっぱりあった。美玲ちゃんが好きなのでそこがキツかったね…。私はブサイク作品が好きなんだけどあっちは切断とか破裂とか突き抜けすぎてフィクションっぽいのでそこまでキツくないと思うんだよね。クロアプ作品は本作が初だけど現代モノという要素も相まってかリアリティがあって腹にズドンと来た、というかおなかボコボコだった。かわいい女の子が肉袋になる過程に萌え萌えする趣味は無いんだけど、命の灯が消える瞬間の死に際萌えはあるので、鵜飼の最期はフーン…。美玲ちゃんは父親のことを考えると哀しくてダメだった。こんなことを書いてて人の事を言えないけれど、ほかの感想を見たら「(オブラートに包んで要約すると)クロアプにしてはラブラブばっかで物足りない」で人間の業ってスゴいな、と思った。
あと、この作品は声優さんが皆ハマり役でいいね。あざみの良い意味でも悪い意味でも軽やかで年頃の娘らしい声とか、東儀のハスキーで冷酷な声とか、名前と同じく美しい鈴のような声の美玲(美鈴[めいりん])など。

まとめ

美少女ゲームの華やかさとVシネの硬さが程よく混ざり、そこにクロアプお得意のエログロが混ざったエンタメだった。メインルートは3種類、主人公中心の「眠れぬ羊」、あざみの過去が描かれる「孤独な狼」、最後に開放される「眠れぬ羊と孤独な狼」。魅力的な女性は多いけれど、実質あざみだけが"俺"のヒロイン。最恐の初恋の行く末をみなさんプレイして確かめてください。途中も面白いけどオチが良いとすべてが最高で余韻も良い。いちばん好きなシーンは美玲ちゃんの「さよなら、歌舞伎町。」とエンドの交差点のふたりです。

 

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